第7回J-HPHスプリングセミナー *終了しました。
- 日時
- LIVE企画:2022年3月5日(土)13:00-18:00(オンライン開催)
- 会場
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オンデマンド配信:3月15日(火)~4月22日(金)
第7回J-HPHスプリングセミナーのLIVE企画を3月5日(土)に開催いたしました。ご参加いただきました皆様、関係各位へ厚く御礼申し上げます。
オンデマンド配信の追加募集について
第7回J-HPHスプリングセミナーの各企画をより多くの方にご覧いただけるよう、3月22日より追加募集いたします。次の参加申込フォームよりお申込みください。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdm4OZJfuRDRYWgpICPlYZxNA23NBCe0hGNRPPuP8oHC0251A/viewform?usp=sf_link
受付期間:2022年3月22日(火)~4月15日(金)15:00/振込期日:4月15日(金)
オンデマンド配信:2022年3月15日(火)~4月22日(金)
参加費:HPH加盟3,500円/HPH非加盟4,000円/大学生・大学院生1,000円
※参加費のお振込確認ができ次第、オンデマンド配信の案内をお送りします。
※オンデマンド配信の概要は下記ご参照ください。
第7回J-HPHスプリングセミナーのご案内(LIVE企画)
新型コロナウイルス感染症によるパンデミックも発生から2年が経過しました。この間、経済的な困窮や孤立といったSDH(健康の社会的決定要因)に関わる問題は深刻化しています。ヘルスサービスには、困難な状況にも関わらず社会から置き去りにされる人たちへの支援が一層求められています。
そこで、今回のスプリングセミナーでは、コロナ禍で人権問題と医療へのアクセス等に困難を抱える外国人についての講演を企画しました。講師には、外国人診療を先駆的に取り組んでこられた沢田貴志氏(神奈川県勤労者医療生活協同組合港町診療所、NPOシェア=国際保健協力市民の会)にお願いしました。SDGsから見た在住外国人診療の経験や制度的な問題についてお話ししていただく予定にしています。
また、3つのワークショップを準備しています。第一に、国際HPHネットワークが新たに発行した自己評価マニュアル「2020年版HPH基準」を学ぶ企画です。第二に、気候危機へのヘルスサービスの対応について学ぶ企画です。このワークショップでは、南齋規介氏(国立環境研究所 資源循環領域国際資源持続性研究室 室長)に「ヘルスサービスと気候危機~ヘルスサービスとしてカーボンニュートラルへの対応を考える~」について講演していただくことにしています。第三に、平和と戦争とヘルスプロモーションに関する企画です。戦争のない平和な世界はヘルスプロモーションの前提条件であり、様々な報告を通して平和について学びあう企画としています。多くの皆さんのご参加を期待しています。
2022年3月5日(土)13:00~18:00(LIVE企画)
対象:HPH加盟事業所、加盟予定事業所の方、地域住民、研究者、学生、行政関係者など
PDFポスター(チラシ)
PDFポスターをダウンロードのうえ、ポスターとしてご活用ください。
LIVE企画タイムスケジュール・概要
2022年3月5日(土)13:00~18:00
13:00~13:05 開会あいさつ 島内憲夫(日本HPHネットワークCEO)
13:05~14:30 講演「SDGsから見た在住外国人への診療と支援」【オンデマンド配信】
沢田貴志氏(神奈川勤労者医療生活協同組合港町診療所、NPO法人シェア=国際保健協力市民の会)
14:40~17:40 ワークショップ(WS)
WS1:―2020HPH基準を学ぶー「新しい自己評価マニュアルにどう対応する?」(定員:50名)
2020年版のHPH基準(Standard)が出て、2006年と比べると大きく変更されています。新しい基準を見ながら、自分たちの事業所で、できているところ、不十分なところを洗い出して、今後、どのようにできているところはどう発展させ、あるいはアウトカムを測定するのか、できていないところはどう発展させ、あるいはアウトカムを測定するのか、できていないところはどのように整備していくか、グループでディスカッションします。
<WS1タイムスケジュール>
14:40-15:40(60分)講演「新しい自己評価マニュアルにどう対応する?」尾形和泰(日本HPHネットワーク運営委員)【オンデマンド配信】
15:40-16:40(60分)ブレイクアウトルーム(グループワーク)
16:40-17:40(60分)全体討論
進行 結城由恵(日本HPHネットワーク運営委員)
WS2:「気候危機とヘルスサービス~ヘルスサービスとしてカーボンニュートラル社会への対応を考える~」
気候危機は、熱中症の患者の増加もあり私たちにとって身近で切迫した課題となっています。しかし一方で、ヘルスサービスは温暖化ガスを輩出する主要な産業の一つでもあることを知る必要があります。温暖化ガスが排出されるのかを科学的に知る必要があります。今回のワークショップでは、日本における医療介護産業の温暖化ガスの排出量を算出した国立環境研究所の南齋規介氏を講演に招き学習することにしています。さらに、既に対策に取り組んでいる施設の好事例の経験も交流し、各事業所での今後の実践を促進することを目的に開催します。
<WS2タイムスケジュール>
14:40-14:45(5分)趣旨説明 舟越光彦(日本HPHネットワーク コーディネーター)
14:45-16:15 講演「気候危機とヘルスサービス~ヘルスサービスとしてカーボンニュートラル社会への対応を考える」【オンデマンド配信】
南齋規介氏(国立研究開発法人国立開発研究所 資源研究領域 国際資源持続性研究室 室長)
16:15-16:25(10分)休憩
16:25-16:35(10分)報告「佐久総合病院におけるSDGsの取り組み」平林剛氏(長野県厚生農業協同組合連合会 佐久総合病院 施設課 主任)
16:35-17:15(40分)ブレイクアウトルーム(グループワーク)
17:15-17:35(20分)各グループワークからの報告
17:35-17:40(5分)まとめ 前島文夫(日本HPHネットワーク運営委員)
WS3:―平和とヘルスプロモーション―「破壊、嘆き、そして死をもたらすもの、それは戦争。調和、喜び、そして生をもたらすもの、それは平和」
私たちは憲法9条のある日本で戦争を知ることなく生活していますが、世界各地では今も戦争が起きています。戦争は無差別に人命を奪い、医療を受ける権利を奪い、生活を破壊し生きる希望を打ち砕きます。
WSではパレスチナや世界各地の紛争地でおきている健康破壊、原爆から76年経ってまだ終わらない広島の被爆被害、旧日本軍の遺棄した毒ガス兵器が現代中国に起こした被害の現実とそれらに対する懸命な医療活動、戦争や核兵器の根絶を願う医療人の活動をそれぞれの現場から報告します。
戦争のない平和な世界を築くことはHPHに欠かせない課題であることが納得できるWSです。
<WS3タイムスケジュール>
開会 14:40 オープニング リマーク【オンデマンド配信】
「なぜHPH で戦争と平和なのか?」大野義一朗氏(野田南部診療所)
1部 戦争による健康破壊の実態と医療活動 14:45~15:45 (座長:武井・福庭)
① 「紛争下のパレスチナの状況と支援活動」 猫塚義夫氏(新川新道整形外科病院)【オンデマンド配信】
今回の講演内容では、パレスチナ難民問題を中心に①ガザ地区のイスラエル侵攻の実態➁ヨルダン川西岸の軍事支配と人権侵害③医療・子供への支援活動④占領地でのCOVID-19感染⑤SDGsと戦争などについて報告いたします。これらを通して、日本国憲法が提唱する「平和的生存権」に基づく反戦平和への重要さをあらためて強調いたします。
② 「終わらない原爆被害~黒い雨降雨地域拡大運動と被爆者手帳申請支援活動」 山地恭子氏(広島共立病院) 【オンデマンド配信】
1976年、健康診断特例地域として、黒い雨「大雨地域」が設定された。その元となった調査は、当時暫定的な報告のつもりであったが、その後一人歩きし、公式な降雨範囲として認識された。2015年提訴、2021年7月に集結した黒い雨裁判では、降雨地域がより広範囲であったことが認められ、黒い雨被害者は、被爆者援護法における、新たな「被爆者」として認められることになった。
広島共立病院における被爆者援護の取り組みは開院当時から継続されている。これまで取り組んだ、在外被爆者支援、原爆症認定支援などに加え、現在黒い雨被害者の被爆者健康手帳申請支援の活動を開始している。これまでの活動を簡単に振り返り、現在の支援活動を紹介する。
「終わらない原爆被害」とは、「明らかにされない」原爆被害のことである。黒い雨被害者も、被爆しながら、長く被爆者として認められなかった。被爆者の健康不安に寄り添う活動が今後一層求められている。
③ 「中国における日本軍遺棄毒ガス併記による健康被害と医療調査」 磯野 理氏(京都民医連あすかい病院)【オンデマンド配信】
2003年8月4日、中国黒竜江省チチハル市内の建設現場から掘り出された旧日本軍のびらん性化学兵器(毒ガス)Sulfur mustard(以下SM) /Lewisiteに44名(1名死亡)が被曝した。我々は2006年〜2019年までのチチハル毒ガス被害者の検診活動を通じて、被害者の後遺症状と健康状態・生活実態および、被害者に対する日中共同の支援活動を行なった。被害者はSM被害の3大症状(呼吸器、皮膚、眼症状)よりもむしろ自律神経症状、易疲労性、胸部苦悶や記憶障害、PTSDやうつ症状などに苦しんでいた。被害者は就労不能となり経済的に困窮し、家族、夫婦関係が悪化した。それらにより精神的に追い詰められ、孤立が進む負のスパイラルに陥った。被害者済のため日中合同平和基金などが設立された。旧日本軍遺棄毒ガス兵器被害は、戦争が時を隔て現在まで悲惨な影響を及ぼす事実を認識すると同時に、731部隊に象徴される日本軍の侵略と加害の歴史を受け止め、被害者に向き合うことが必要である。
―休憩―
2部 戦争・紛争と医師の関わり 15:50~16:50 (座長:山地・大矢)
① 「アジア・アフリカの紛争地での医療支援」 武井弥生氏(元上智大学)【オンデマンド配信】
現在も内戦で苦しむエチオピアは、1991年に長年にわたるエリトリアとチグレとの内戦を終えた。その直前に入国し村のヘルスセンターで働いていた。戦場からは遠く離れていたが、その余波は患者の身にのしかかっていた。
1999年、東チモール。国民投票で東チモールは、長年不法占拠していたインドネシアから独立を決めた。その直後に入国。人々の初期治療の拠点であるヘルスポストは破壊、あっても風土病のための常備薬はなかった。
2002年、コンゴ民主共和国東部の複雑な紛争地域(隣国の民族紛争、希少金属の搾取、政府兵士、反政府民兵などなど)(映画「女を修理する男」2015のDr.ムクウェゲの舞台)から逃れてきた隣国タンザニアの難民キャンプの生活。
紛争による保健衛生の破壊に対し、我々はどうむきあえばいいのだろうか?
② 「『医学評論アウシュビッツ』を日本に紹介した元軍医の話」 大野義一朗氏(野田南部診療所)【オンデマンド配信】
アウシュビッツ強制収容所があったポーランドのクラクフで発行される月刊医学雑誌『プルチェグラッド カルスキ』は毎年1月号をアウシュビッツ特集として1961年~1991年の30年間に1000編の研究論文を発信し、のちにノーベル平和賞にノミネートされた。1961年号のコピーを入手した金田光雄氏(1912年―2008年)は日本語に訳して「医学評論アウシュビッツ」を1982年に出版した。国内ではいくつもの出版社に断わられるなど苦労のすえの出版であったが、ポーランドとドイツでは反響をわき起こした。
金田氏は都内の開業医で、戦争中は軍医として中国で戦争を経験しました。なぜアウシュビッツの報告署を訳して日本に紹介しようとしたのか?金田先生の残した文章と家族の話からその理由を探ります。
③ 「反核医師の会の活動」 向山 新 氏(立川相互病院)【オンデマンド配信】
核戦争が起きてしまえば、医師の力で人々を救うことはできません。
核戦争から、人々を守るためには、核兵器を無くすしかないのです。
世界中の医師が、核兵器の廃絶に向けての活動を進めています。
3部 討論 16:50~17:40(司会:福庭・大矢)
グループ討論・各グループの報告・まとめ
終了 17:40(予定)
司会・進行:福庭 勲・大矢 亮(日本HPHネットワーク運営委員)
お問い合わせ
日本HPHネットワーク事務局 担当:池田・板本
E-mail:seminar@hphnet.jp
〒812-8633 福岡県福岡市博多区千代5-18-1 千鳥橋病院内
更新:2022年4月19日