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「高齢者にやさしい病院とヘルスサービス認定自己評価マニュアル」

原文:”Age-friendly Hospitals and Health Services Recognition Self-assessment Manual”

発行:台湾衛生福祉部国民健康署 翻訳発行:日本HPHネットワーク /2020年2月

 

 

高齢者にやさしい病院とヘルスサービス認定自己評価マニュアル 202002.pdf

 

高齢者をめぐるSDHと「高齢者にやさしい病院とヘルスサービス認定自己評価マニュアル」日本語版について

日本が世界で最も高齢化した超高齢社会であることは皆さんもご存知だと思います。2035年には高齢化率が33.4%に達すると予測されていますが、すでに北海道では50%を超えている市町村もあり、秋田県・高知県・島根県・山口県では、県単位でもこの33.4%をすでに超えています。
国際HPHネットワークの中でも台湾は日本よりも高齢化のスピードが速く、2020年代なかばにも日本同様に超高齢社会に到達すると予測されています。最近、COVID-19への対応でも注目を集めている台湾の保健福祉分野では、急速な高齢化の進行を視野に入れて、WHOの「WHO Active Ageing: Toward Age-friendly Primary Health Care」声明(2004年)を議論し、高齢者にやさしい医療の原則や国際HPHネットワークの基準に基づいて、2009年「高齢者にやさしい医療の枠組」を開発ました。
国際HPHネットワークにはいくつかのタスクフォースがありますが、「高齢者にやさしい医療の枠組」はそのタスクフォースの一つとして、世界各国で拡がるAge friendlyに関する取組と共同して推進しています(HPHと高齢者にやさしい医療タスクフォース)。台湾ではすでに400以上の病院・高齢者施設で適用され、ここで紹介する「高齢者にやさしい病院とヘルスサービス認定自己評価マニュアル」も英語、ドイツ語、エストニア語、ギリシャ語などに翻訳されて各国で検証されています。

基準は「運営方針」「コミュニケーションとサービス」「ケアプロセス」「物理的環境」の4つの大基準を中心に、以下11の副基準、60の測定可能な評価項目で構成され、各施設で自己評価し、各国のRegional HPHネットワークあるいは国際HPHネットワークによる外部評価を行っていくことで、各施設での活動を評価・分析し、質を改善していくことができます。また、高齢者に対するヘルスプロモーションに関する共同研究プロジェクトなども可能となると考えています。各基準を少し詳しく見てみましょう。

 

基準1:運営方針
1.1 高齢者にやさしい方針づくり
各施設の質や経営に関する計画で、「高齢者にやさしい方針」が優先課題になっているか、方針が具体的な文書として作成されているか、担当者が明確になっているかを見ます。
1.2 組織によるサポート
サービスや資材のための予算確保、方針を実施していくための情報システムの機能、スタッフの配置・研修、ベストプラクティスや改善例の奨励、方針作りや見直しへのスタッフの参加などを見ます。
1.3 継続的監視と改善
質、安全、患者満足度などで年齢による分析がされているか、質の評価や関連する活動、組織文化づくり、ケアのアウトカム評価などを見ます。

 

基準2:コミュニケーションとサービス
2.1 コミュニケーション
日常の診療や介護活動における高齢者とのコミュニケーションや、施設の運営などが高齢者にふさわしい設定となっているか、教育などの情報提供のデザイン、高齢者の自己決定権などを見ます。
2.2 サービス
認知症を含めた高齢者の個々のニーズに合わせたサービス、経済的困難への支援、ボランティアプログラムによるサポートと高齢者自身のボランティア参加などを見ます。

 

基準3:ケアプロセス
3.1 患者評価
高齢者特有の疾病やヘルスプロモーションに関するガイドラインの使用状況、高齢者のハイリスク・スクリーニング、薬の服薬状況についての管理、患者ニーズへの対応、カルテ記載などを見ます。
3.2 介入と管理
健康に関する介入とその評価、健康的な加齢に関する情報提供、リハビリテーション、高齢者総合評価、退院時の調整機能などとそれらのカルテ記載を見ます。
3.3 地域のパートナーシップとケアの継続性
患者組織に関する情報提供、ケアの継続のための様々な連携先と実際のケアの継続性に関する運用、院外ケアサービスについて見ます。

 

基準4:物理的環境
4.1 総合的環境と設備
ユニバーサルデザインの採用、安全性や快適性も考えた高齢者にやさしい施設(カナダの取組が参考になります)などを見ます。
4.2 交通と利便性
高齢者のアクセスしやすさ、シャトルサービスや玄関などの設備・対応を見ます。
4.3 表示と身分証明
施設内のわかりやすい表示とスタッフの名札着用やスタッフのネームボードなどを見ます。

 

これらを細かい小項目ごとに6段階で自己評価できる仕組みになっています。さらにマニュアルでは、「高齢者にやさしい医療のための基礎研修コース」や、さらに進んだ「高齢者にやさしい医療の中核能力のための基礎研修コース」も定められていて、それぞれの国の現状にあった内容で学習するしくみも提供されています。

 

J-HPHでは、2019年3月の第4回J-HPHスプリングセミナーで、台湾でこの取組を推進し、国際HPHネットワークの「HPHと高齢者にやさしい医療」タスクフォースのリーダーでもあるシュウチ・チョウ(邱淑媞)先生を招き、台湾での取組を講演いただきました。その後、「高齢者にやさしい医療とヘルスサービス認定自己評価マニュアル」の日本語版を作成・承認をいただき、2019年10月の第4回J-HPHカンファレンスでは、「高齢者にやさしい医療のための基礎研修コース」のワークショップを開催しました。また、現在のCOVID-19に関連しては、米国のAge-friendly Health Serviceに関する情報発信を受けて、American Health Care AssociationとNational Center for Assisted Livingによる高齢者施設向けのCOVID-19に関するガイダンスの翻訳・提供もおこなう予定です。今後もJ-HPHでは、「高齢者にやさしい医療とヘルスサービス認定自己評価マニュアル」の普及に努め、各施設の自己評価の取組を支援し、超高齢社会に対応した医療・介護のシステム構築に貢献していきたいと考えています。

最終更新日:2020年6年3日

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