香川医療生活協同組合 へいわこどもクリニック
COVID-19パンデミック下の子どもの健康
COVID-19パンデミック下で、3密が叫ばれています。しかしながら、子どもにとって、人との関わりの基本となる3密は成長発達を保障する大切な環境なのです。昨年は、政府により終業式を直前にひかえながら、突然の休校措置が実施されました。子どもの発達成長にあたえる影響は甚大でした。子どもは、自らの権利を主張することがありません。代わって、私たち大人がそれを代弁しなければなりません。このよう立場から、こども食堂、レクリエーションの機会をこれまで通り維持することにしました。これはコロナに対する科学的な知識を有する医療機関としての責務と思います。当院では、隔月でこどもハイキングを行ってきました。香川県は全国最小面積のため、日帰りできる里山がたくさんあります。対象は当院の肥満外来に通院する子ども達でしたが、現在は肥満でない子どもたちが大半です。また、近隣の学校へも案内し、毎回30人くらいの子どもが参加します。人気の企画であっというまに定員に達します。秋のハイキングでは、山頂で薪から火をおこし、カレーライスを作ります。冬は山登りのあと、アイススケートをします。コロナ禍で外遊びを制限され、休日をゲームやTVで過ごしがちな子どもたちには、貴重な一日となります。
注意しているのは、参加が難しい貧困家庭の子どもたちが参加できるような配慮です。参加費用を無料にし、車のない家庭の場合は送迎もします。また、職員のカンパやバザーで資金を捻出するなど工夫しています。
コロナ禍は、社会的弱者をさらに痛めつけてきています。その中に「助けて!」と言えない多くの子どもがいます。COVID-19パンデミック下で、こどもの健康が損なわれようとしています。HPHの実践が今こそ輝く時です。
NEWSLETTER No.17 MAY 2021