香川医療生活協同組合 へいわこどもクリニック
地域とクリニックがつながる『循環の場』づくり
へいわこどもクリニックは、香川県高松市の栗林公園の近くにある、小児科クリニックです。当クリニックでは、健康の社会的決定要因(SDH:貧困、孤立、生活環境など)へのアプローチとして、食料配布・おさがり会(常時開催)や子ども食堂(月1回開催)を実施しています。
食料配布の取り組みでは、食材をお渡ししながら、一言二言と言葉をかわす時間を大切にしています。お話を重ねることで、患者さんの日々の暮らしや、その奥にある思いに寄り添うことができるよう心がけています。経済的な悩みや生活の大変さを打ち明けてくださることもあれば、お子さんの成長をご家族と一緒に喜び合えることもあります。こうした日常のコミュニケーションを通じて、生活上の小さなサインを早期にキャッチし、必要な支援や行政サービスへと橋渡しをすることも、大切な役割だと感じています。
子ども食堂では、単なる栄養補給の場ではなく、遊びや人との関わりの中で、安心して自分らしく過ごせる居場所であることを何よりも大切にしています。食事の前後には、クリニック近くの公園で思いっきり走り回ったり、食事の前後には、クリニック近くの公園で鬼ごっこなど、思いっきり遊びます。
食堂では、物価高騰などの影響で、日頃食べられない季節の果物を必ず提供し、それ以外にも、綿菓子、かき氷、自分でホットケーキにトッピングするなど、デザートを大切にしています。体験活動も盛りだくさんです。楽しく笑い合える場所として、地域の子どもたちがいつでも気軽に立ち寄れる環境を整えています。
また、クリニックの待合室の一角をオープンな『おさがり会』スペースとして開放し、洋服や育児・学用品を自由に持ち帰れる仕組みを作りました。最近ではご寄付いただいた浴衣でスペースが鮮やかに彩られました。それをきっかけに会話や交流が生まれることもあり、人と人がつながるきっかけとなっています。
活動を続ける中で、とても嬉しい変化が生まれました。初めは職員が中心となって進めていましたが、今では医療生協組合員の方や、当院の患者さんご自身から『協力したい』というご寄付やご支援の申し出が少しずつ増えています。医療従事者が一方的に支える関係から、誰もがお互いの“できること”を持ち寄って支え合う、住民参加型の『循環の場』へと発展してきました。クリニックが地域の橋渡し役となり、住民同士が助け合うコミュニティが育まれていると感じています。
私たちはこれからも、地域の方々が抱く「誰かの役に立ちたい」という温かい想いをつなぎ続けたいと考えています。クリニックという場所をいつも開かれた『循環の場』とし、物質的な支え合いだけでなく、心と心の繋がりを大切にしながら、地域の誰もが安心して暮らせるまちづくりを目指していきたいです。
報告:宮川 愛美氏(香川医療生活協同組合 へいわこどもクリニック 公認心理師)
1750-0148 香川医療生活協同組合
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No.33
SEP.2026





