鳥取医療生活協同組合 鳥取生協病院
誰ひとり取り残さない医療を!
鳥取生協病院におけるLGBTQフレンドリー病院推進の取り組み
鳥取生協病院は、鳥取市にある病床数260床ほどの一般病院であり、地域の組合員さんと一緒になって医療福祉活動を展開する「医療生活協同組合」が母体です。
2019年のHPHネットワーク加盟後、患者と職員、ひいては地域の健康と権利をまもる活動の一環として、LGBTQフレンドリー病院推進に取り組み始めました。活動の主体は事務長や医師、コメディカルが参加するHPH委員会であり、保健師、栄養士、心理師で「HPH委員会LGBTQフレンドリー病院推進チーム」を構成しています。
1.取り組みの紹介
図に当院におけるこれまでの取り組みを示しました。「学習・啓発」では、職員だけでなく、患者、組合員の3方向にアプローチすることを意識しています。
「仕組み改善」では,アライバッジの装着、レインボーフラッグの設置(アライバッジ装着率が一定に達した部署が対象)、だれでもトイレ標示や職員向けの目安箱設置(写真)、問診票の性別欄見直しなど,LGBTQ当事者の病院や職場に対するハードルを少しでも下げるための取り組みを中心としています。
2.これまでの到達
当事者向けコミュニティの運営もおこなう鳥取市中央人権福祉センターさんとの連携が大きな助けとなりました。だれでもトイレの呼称やイラストに対する当事者の意見を伺ったり、アライバッジをつけている職員がいることの安心感、受診時に感じる不安や抵抗感についてうかがったことが、その後の取り組みにつながっています。
「とっとり安心ファミリーシップ制度」の存在も後押しになっています。この制度は鳥取県が2023年から開始したもので、医療機関に対してはLGBTQ当事者である患者あるいは患者家族に対して事実婚と同様の対応をとることを求めるものです。
私たちはこの制度を土台に、当院の受診や入院治療等において当事者やその家族が不当な扱い(面会させてもらえない、同意書に署名させてもらえない、アウティングされるなど)を受けないようにするための対応マニュアルを作成中です。医療従事者側の不適切な対応が、LGBTQ当事者の受療行動を妨げたり、生命を脅かしたりすることのないよう、属人的にならないようなマニュアル、制度運用を目指しています。
3.課題と展望
一方で、取り組みを進める中で感じる課題や難しさもあります。特に何らかの仕組みを改善する場合、関係部署との相談や調整に骨が折れることは言うまでもありません。「なぜ協力してくれないのだろう」「こんなに時間がかかるようなことではないのに」と、気持ちが萎えることもしばしば。
しかし、一見利害が一致しないように感じても、「患者さんのために」という医療従事者としての共通の価値の下ではきっとつながり、協同することができるはずです。そうした基本に立ち返りつつ、誰ひとり取り残さない無差別平等の医療を実現するために引き続き活動していきたいです。
報告:今北 哲平氏(鳥取生協病院 公認心理師・臨床心理士)
1750-0122 鳥取医療生活協同組合 鳥取生協病院
NEWSLETTER No.33
SEP.2026





